女の子を車に乗せて走ると監禁罪!

解説:例として、強姦の目的で、女性である乙を偽計を用いて自動車に乗せて犯行現場まで走行しました。

しかし、自動車を運転する以外は、乙を自動車から逃げられないようにするなどの行為は何もしておらず、また乙も甲が強姦するという意図を持っているということについて気づいておらず、車から降ろして欲しい、というような事も言っていませんでした。

「およそ監禁罪にいわゆる監禁とは人を一定の区域外に出ることを不可能又はいちじるしく困難ならしめることをいい、被監禁者が行動の自由を拘束されてれば足り、自己が監禁されていることを意識する必要はないと解するのが相当である。」

すなわち、自分が監禁されていることを認識していなくても、監禁罪は成立します。

判例は、被害者が監禁されていることを認識している必要はないという立場ですよね。これを名前はどうでもいいのですが、可能的自由説といいます。

反対に、被害者が監禁されていることを認識している必要があるという立場があります。この立場ですと、本件では、監禁罪は成立しません。これを、現実的自由説といいます。

判例の立場である可能的自由説というのは、周囲の人から見て移動できない状態になっていれば、被害者が現実に移動しようとしていなくても、監禁されていることを認識していなくても監禁罪が成立すると考えるのです。

判例は可能的自由説を採用していると思われるので、周囲の人から見て、「あの人は、移動しようと思っても移動できない状態にされているよね」という状態にすれば、本人が現実に移動しようとしてできなかったとか、監禁されていることを認識していたという事情がなくても監禁罪が成立するのです。

本件の判例でも、被害者は、ただ車に乗っているだけで、まさか自分が監禁されているとは思っていません。また、現実に逃げようともしていませんから、逃げようとして、それを甲に阻止されたという事情もありません。でも、実際には甲は強姦する意図があったし、逃げられないように監禁するつもりだったので、もし、現実に逃げようとしていたとすれば、逃げられない状態だったわけです。

ですから、判例は監禁罪が成立するとしたのです。


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