時効あれこれ
時効には、消滅時効と取得時効があります。
消滅時効とは、一定期間行使されない場合、権利を消滅させる制度で、消滅時効により権利が消滅することを時効消滅といいます。
取得時効とは、他人の物または財産権を一定期間継続して占有または準占有する者に、その権利を与える制度です。
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消滅時効
犯行から一定期間がすぎると、公訴の提起(起訴)ができなくなります。その期間は刑事訴訟法第250条で定められています。
第二百五十条 時効は、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年
スピード違反や駐車違反など、 多くの交通違反は第6号に当たります。時効は3年ということです。海外にいる期間などは、時効の進行が停止されます。
2007年の通常国会に提出される道路交通法の改定法案が可決・施行されると、酒酔い運転の罰則は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となり、そうなると酒酔い運転は5号に該当し、公訴時効は5年。。
なお、近年の厳罰化の流れのなかで、250条は改定され、2005年1月1日から施行されました(法務省刑事局)。
その他の消滅時効は以下の通りとなります。
個人間の貸金、個人間の売買代金 10年
利息債権、家賃、地代債権、相続回復請求権 5年
交通事故など不法行為による損害賠償請求権 3年
大工、左官、植木職人などの賃金、理容師、クリーニング業者などの代金債権、商人(企業)間の売掛金債権、給料債権、学校、塾などの授業料 2年
ホテル、旅館等の宿泊料、料理店、バーなどの飲食代金、レンタカーなどの料金 1年
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時効の停止
催告により、6ヶ月間は時効期間が延長します。
しかし、口頭では、催告をしたかどうかの有無が争いになったときには、それを立証するのは困難です。
確実に催告したという証拠を残す意味で、内容証明郵便で請求(=催告)するのが安全です。
ただし、このような催告は、裁判外の催告であり、一時的に6ヶ月間に延長するものであり、この6ヶ月間に訴訟などのより強力な手段、時効の中断の手続を取らなければ消滅時効は成立するということです。
また、延長された6ヶ月の間に内容証明郵便を繰り返し通知しても再延長はありません。一回限りということです。
内容証明郵便により、相手が「一部でも代金を支払ってくれた」、「支払をもう少し待って下さい」という行為があったら、消滅時効は中断します。
法律的には時効中断事由の承認に当たるからです。
ただし、弁済猶予の場合は、口頭だけの約束では、後で言った言わないとういう水掛け論になりますので、証拠として一筆書いてもらうなど置くなど工夫が必要でしょう。
承認があれば、時効中断となりますので、もはや6ヶ月以内に裁判上の請求をする必要はありません。
時効の中断
時効の停止のように、一時的に時効を中断するものではなく、それまでの時効期間の経過をまったく無意味なものにするもの。
中断によって時効期間の進行は振り出しに戻され、あらためて進行が開始するという強力な効力をもつ。
中断事由としては、以下のものがあります。
[1]請求:裁判所が関与する形で権利者が権利を主張する訴えの提起、支払督促の申立、和解、調停の申立
注意点
①債権の一部についての訴えの提起は残部の消滅時効を中断しない。ただし、債権の一部であるとの明示がない場合は、全部の中断を生じます。
②訴えを取り下げた場合は、時効中断の効力は生じません。
[2]差押、仮差押、仮処分
[3]承認:債務者(時効により利益を受ける側)が、債権者(時効により権利を失う側)に対して、その権利の存在を知っていることを表示すること
一部弁済 →全額について債務を承認したという効果を生じる
利息の支払 →元本債権の存在を承認する表示をしたという効果が生じる
ポイント
[1]と[2]は、自己の持っている債権を主張すること
[3]は、相手方の権利を認めること
取得時効
20年の取得時効
①所有の意思をもって占有していること
②平穏かつ公然の占有
→法律上許されない行為をしていないことと、占有保持につき隠さないこと)
③他人の物を占有したこと
④20年間の占有
*①②③④の要件がそろって、自分の物になる
10年の取得時効
上記①②③の要件に加え、占有の開始時点に、占有の開始時点に善意かつ無過失であること。
→善意とは、自分のものであると信じていること
→無過失とは、自分のものであると信じることについて過失がないこと
*占有開始時点に悪意または有過失だと20年の占有が必要になる。
時効の援用
時効の効果は、時効期間によって当然に発生するものではない。
時効の利益を受けるものが「時効の利益を受けます」と意思を表示(援用)することが必要。
ただし時効が完成しているのに知らずに、「支払をもう少し待って下さい」(弁済猶予)とか「債務の一部を弁済する」という行為にでるともはや時効の利益の援用は、信義則上できなくなります。
逆に考えると、時効により不利益を受ける側は、相手が援用しないかぎり請求できるわけで、内容証明で請求して、債務の承認をしてもらったり、あるいは代金の一部を支払ってもらったりするなど相手が自認行為するように計画して自分の権利を保護しましょう。
時効完成前なら、債務の承認、一部弁済は、時効中断事由の「承認」にあたります。
時効の放棄
「完成した時効の利益を受けない」と意思表示すること
ただし時効完成前に予め時効の利益を放棄することはできません。
これは弱い立場にある債務者が、無理にそういう約束をさせられることを防ぐためです。
従って、時効完成前に「時効期間の延長します」「時効利益は放棄します」と約束しても無効となります。
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