法律豆知識

Q1:夫(妻)が不倫をしていることが発覚しました。不倫相手に慰謝料請求できるのでしょうか?

A:結婚すると、夫婦は互いに貞操義務を負います。(民法752条、770条1項1号)

したがって、不倫関係を持った夫(妻)はこの義務違反を犯したことになり、そして、その不倫相手はその義務違反に加担し、妻(夫)の権利を侵害したことになります。よって、妻(夫)は、夫(妻)と、不倫相手に対して、共同不法行為を理由として、慰謝料を請求できます。


Q2:妻子ある上司から妻と別れると聞かされて交際したが、結局すてられました。慰謝料は請求できるのでしょうか?

A:普通、不倫する側から慰謝料を請求できませんし、逆に妻から慰謝料を請求されるところです。

しかし、妻とは冷え切った関係で別居中・離婚話を進めている等、(婚姻関係が事実上破綻している)と嘘をついて女性を口説く男性もいます。


そんな言葉を信じて肉体関係を結んだあとに捨てられた場合は、相手に対して貞操侵害を理由として慰謝料を請求できる場合があります。

独身と偽られていた場合には、確実に貞操侵害です。


Q3:不倫が原因で離婚になりました。慰謝料はいくらぐらいになるの?

A:まずは話合いで決めることになると思います。

これが協議離婚というもので、離婚の90%がこの方法によります。 それで解決しない場合は、調停離婚→審判に持ち込まれます。これで98%は解決するようです。

要するに、裁判までいくのはほんの1~2%程ということです。


それでは、裁判までいくと判例では慰謝料はどうなっているのでしょうか。?これは、不法行為の度合いにもよりますが、約200万円から350万円というのが最多例のようです。

弁護士費用が約50万円だと仮定して、想定される慰謝料から差し引くと、差し引きの純利益はは150万円から300万円になる計算になります。 つまり、これが損益分岐点です。


したがって、不倫をして離婚をする(したい)側は、相手が150万円から300万円を即金で払えと言ってきた場合、即、示談で決着させた方が楽だということが言えます。

一方、不倫をされて慰謝料を請求する側は、弁護士費用50万円(およそ)と、慰謝料の低めのラインである200万円を合計した、150万円より低い金額を相手が提示してきたら、突っ張って、「裁判にするぞ」と交渉してみた方が得策だと言えるでしょう。


ずばり、双方、裁判にするか否かの判断基準は250万円が攻防ライン(損益分岐点)ではないでしょうか。

因みに、裁判での決着・判決を目指すよりも、当然示談で決着した方が、精神的、社会的、対外的に不法行為(浮気)を実行していた方にとっては楽ですね。負けると判っている裁判に、何回も呼び出されて、肉体関係の詳細な内容やプライバシーに関わる重要な部分を公開の法定で根ホリ葉ホリ追求されるわけです。


従って、判決をもらうよりも、示談で解決した方が慰謝料は断然高額になる傾向にあります。そういった背景も含めた、真の攻防ラインは300万円~500万円あたりでしょうか?

財産分与と養育費の計算も含め、慎重に決めたいですね。


Q4:姦通罪って今もあるんですか?

A:不倫というのは、かしこまった表現を使うと「姦通」ということになります。

では、不倫をすると姦通罪になるのかという心配が生まれますが、それは戦前の話です。これは、他人の妻に手を出したり、結婚している妻が夫以外の男性と肉体関係を結んだりすると処罰される法律です。


現代的な視点から言うと、女性に著しく厳しい法律だということになりますが、儒教的な精神文化の影響を受け、イエ制度が今より重視された当時においては、イエの血統を守るという点では合理性のある法律だったのです。韓国では今でも姦通罪があるそうです。

さて、戦後、姦通罪は廃止されましたが、民法上、不倫は不法行為として慰謝料請求ができることになっています。


【 慰謝料についてまとめ 】

浮気(不倫・不貞)、借金、暴力等の離婚原因を作った側(有責配偶者)が請求される、配偶者の精神的苦痛に対する損害賠償

例 : 夫の浮気が離婚原因の場合

⇒夫が有責配偶者で妻は夫に慰謝料を請求できる。ただし、離婚原因を証明できるか、本人が認めないと慰謝料請求は難しい


離婚の慰謝料の条件

双方に離婚の原因があるときは請求できない。

慰謝料を支払う側(被請求者)でも、財産分与は請求できる。

慰謝料の請求は離婚後でもできる(時効3年)

慰謝料が金銭で支払われる場合は税金がかからない


~ ポイント ~

① 平均200万円~350万円(離婚理由・婚姻期間・所得や協力度合等で決まる)

② 慰謝料請求の証明(=離婚理由の証明)は難しい

③ 分割払い可。ただし、リスクがあるので公正証書で法的効力のある約束にするべき。


財産分与

夫婦で築いてきた財産の精算であり、離婚により生活に不安を来たす側への扶養。


~ 離婚の財産分与の条件 ~

離婚原因を作った責任と財産分与は無関係


有責配偶者(離婚原因をつくった側)も請求できる


離婚後に財産分与も可。(時効2年)


不動産にて財産分与をもらうと譲渡所得税がかかる


夫婦の協力によって得た財産が対象 (会社員の場合の給料等)


特有財産(婚前に得た財産)(相続を受けた場合)(自己の名で得た財産)は財産分与の対象外


~ ポイント ~

財産分与額の算出は難しい(厚生年金、年金、保険関係他も全て含めると、算出・立証が非常に難しい)

協議、調停では話合いが基本


決着しない場合は家庭裁判所審判に協議に変わって、処分を請求できる。

財産構築への夫婦それぞれの貢献度合い等が焦点となる。家事、育児も大きな貢献とみなされる。)

金額は婚姻期間に比例して様々


不動産による財産分与は登記手続きが必要(課税対象)

ローンが残っている不動産は要注意、しっかりと決め事をしましょう

分割払い可。ただし、リスクがあるので、公正証書で法的効力のある約束にするべき。

配偶者(例えば夫)による財産の隠匿工作に注意


年金は財産分与の対象にならないのが通常

公正証書作成(示談)の場合、コレまでの互いの収入を足して2で割り、生活費等の額を平等に差し引き残った金額を5:5でなくても6:4とか7:3とかそれ以上で取り決めをしてもOKです。

互いの合意があれば問題ありません。

養育費

法律上親には子供の扶養義務がある。


~ 養育費の相場 ~

通常子供1人あたり2万円~6万円(収入等による)を成人する迄か、大学を卒業する迄とする。

つまり子供0歳児1人あたり480万円~1584万円(22歳までとして)の間が全体の80%以上となっている。


~ ポイント ~

☆親には子供の扶養義務があるので、通常破産したとしても支払うこととなる。

公正証書に「支払いが滞った場合にはいつでも強制執行できる」と書くか、裁判で確定判決を得た場合には支払いが滞った時にいつでも給料(会社)や預金(銀行)等の第三債務者に対して強制執行、差し押さえをかけることができる。


法律的に養育費から逃れられる術は無い!!

一括で貰っても、分割で貰っても相手との相談次第で構わない。裁判の判例では分割が多いが滞りやすい。


日本の離婚事情

日本では結婚すると約38%のカップルが離婚をします。

因みに経済大国のアメリカでは5割超)

離婚率は独身者等全てを含めた人口1.000人あたりで年間約2.15人(平成16年度統計)

平成16年度統計では毎年72万人が結婚をして27.1万人が離婚をしています。

裁判離婚は72万人中たったの1~2%


~ ポイント ~

何故裁判離婚は約1~3%なのか?


離婚には4つの種類がある

協議離婚 ・・・夫婦がお互いに話合いで離婚するもので、離婚全体の約9割がこれに該当。離婚届けを役所に提出して終わり。


調停離婚・・・家庭裁判所に関わってもらい、意見調整をスムーズに進めてもらえる。家事審判官(裁判官)1名と家事調停委員2名がかかわります。ここで合意に至れば「調停調書」が作成され、この謄本を添えて離婚届けを役所に提出して終わり。


審判離婚・・・離婚調停が不調に終わり(合意に至らず)家庭裁判所の判断(条件)で離婚を決めること。審判が下されてから2週間は異議申し立て期間となり、どちらか一方が異議を申し立てると家庭裁判所の審判は効力を失い、いよいよ争いの舞台は裁判所へと移行致します。


裁判離婚・・・家庭裁判所ではなく、地方裁判所での裁判。通常の裁判ですので、これまでとは違い公開の場で様々なプライバシーをさらされる。裁判離婚は約1%。


確定的な「証拠」さえあれば

将来探偵業というものの社会的認知と厳しい技能テストや最低限の必要機材等が定められれば、究極は99.99%が協議離婚で解決するものと思われます。

これまでの判例を検証すれば、判明した証拠から慰謝料(相場は200万~350万)、親権、養育費(相場は一人あたり月額2万~6万)、財産分与(相場は無く人それぞれ)、その他必要な条件等は常識の範囲内で決定(確定)するのです。


つまり、どのような争いでも証拠さえ押さえればおのずと結果は導きだされるのです。また、その証拠を利用する・しないも選べる有利な環境が整うのです。そして、なにより「理不尽な状況の中で何も知らぬままに協議離婚してしまった」という多くの事案も無くなることでしょう。


時効について・・・

慰謝料の時効、不法行為の時効は(不貞の事実を知った時から)3年です!!

また、最後の不貞行為(不法行為の時)から20年経過すると何も知らなくとも時効です。

財産分与の時効は離婚から2年です!!


◇ 離婚の民法

民法第763条(協議上の離婚)

夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。


民法第770条(裁判上の離婚)

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

1 配偶者に不貞な行為があったとき。

2 配偶者が悪意で遺棄されたとき。

3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

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